2021年度介護報酬改定の概要

<2021年改定のポイントは次の5つ>
①感染症や災害への対応力強化
②地域包括ケアシステムの推進
③自立支援・重度化防止の取組の推進
④介護人材の確保・介護現場の革新
⑤制度の安定性・持続可能性の確保
①感染症や災害への対応力強化
新型コロナウィルス感染症や大規模災害が発生する中で『感染症や災害が発生した場合であっても、利用者に必要なサービスが安定的・継続的に提供される体制を構築すること』を目的とした改定
●感染症対策の強化
感染症の発生及びまん延等に関する取組の徹底を求める点から、これまで介護サービス種別によって異なる措置が定められていた点も含めて整理、研修の義務づけ。
●業務継続に向けた取組の強化
感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築する点から、全ての介護サービス事業者を対象に研修の取組が義務づけ。
●災害への地域と連携した対応の強化
災害への対応において地域との連携が不可欠であることから、非常災害に関する計画策定、関係機関との連携体制の確保、避難等訓練の実施等の非常災害対策が求められる介護サービス事業者を対象に、以下の取組を設定。
・通所系、短期入所系、特定、施設系サービスに、避難等訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めることを規定。
●通所介護等の事業所規模別の報酬等に関する対応
通所系サービスの報酬について、感染症や災害の影響により利用者数が減少した場合に、状況に即した安定的なサービス提供を可能となるよう、足下の利用者数に応じて柔軟に事業所規模別の各区分の報酬単価による算定を可能とし、臨時的な利用者数の減少に対応するための評価が、以下のように設定されました。
・より小さい規模区分がある大規模型について、事業所規模別の報酬区分の決定にあたり、前年度の平均延べ利用者数ではなく、延べ利用者数の減が生じた月の実績を基礎とすることができることに変更
・延べ利用者数の減が生じた月の実績が前年度の平均延べ利用者数から5%以上減少している場合、3か月間、基本報酬の3%の加算を行う
②地域包括ケアシステムの推進
地域包括ケアシステムの推進では、『住み慣れた地域において、利用者の尊厳を保持しつつ、必要なサービスが切れ目なく提供されるよう取組を推進すること』を目的とした改定
●認知症への対応力向上に向けた取組の推進
介護に関わる全ての者の認知症対応力を向上させていくため、また訪問系サービスの認知症対応力を向上させ、多機能系サービスの緊急時の宿泊ニーズに対応するよう改定
●看取りへの対応の充実
看取り期の本人・家族との十分な話し合いや関係者との連携を一層充実させ、また、看取りへの対応の評価の充実のため内容の改定
●医療と介護の連携の推進
医療と介護の連携を推進するために、居宅療養管理指導における情報提供、短期療養の医療ニーズのある利用者の受入促進、老健における適切な医療の提供、介護医療院の長期療養・生活施設の機能の充実、介護療養型医療施設の円滑な移行について改定
●在宅サービスの機能と連携の強化
在宅サービスの機能と連携を強化するために、訪問介護の利用者の負担軽減・利便性の向上、訪問入浴介護の充実、訪問看護の機能強化、緊急時の宿泊ニーズに対応するための改定
●介護保険施設や高齢者住まいにおける対応の強化
ケアの質を維持しつつ、人材確保や職員定着を目指し、ユニットケアを推進する観点から1ユニットの定員について改定
●ケアマネジメントの質の向上と公正中立性の確保
居宅介護支援事業所の事業所間連携や経営の安定化、医療機関との情報連携、介護予防支援の充実等への改定
●地域の特性に応じたサービスの確保
離島や中山間地域等の要介護者に対する介護サービスの提供の促進、認知症グループホームの地域の特性に応じたサービスの整備・提供の促進、過疎地域等におけるサービス提供の確保等の内容の改定
③自立支援・重度化防止の取組の推進
自立支援・重度化防止の取組の推進において、質の評価やデータ活用を行いながら、科学的に効果が裏付けられた質の高いサービスの提供を推進することを目的とした改定。
●リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組の連携・強化
リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組を一体的に運用し、自立支援・重度化防止を効果的に進める、自立支援・重度化防止に向けた更なる質の高い取組を促す、退院・退所直後のリハビリテーションの充実、ICTの活用、利用者の自宅での入浴の自立、口腔衛生管理体制の標準化、栄養改善のための体制作りなどの要点からの改定
●介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進
CHASE・VISITへのデータ提出とフィードバックの活用によりPDCAサイクルの推進とケアの質の向上を図り、介護サービスの質の向上を図ることへ改定
●寝たきり防止等、重度化防止の取組の推進
介護保険施設において、利用者の尊厳の保持、自立支援・重度化防止の推進、廃用や寝たきりの防止等の点から、医師の関与の下、リハビリテーション・機能訓練、介護等を行う取組を推進するための改定
④介護人材の確保・介護現場の革新
喫緊・重要な課題として、介護人材の確保・介護現場の革新に対応することを目的とし改定
●介護職員の処遇改善や職場環境の改善に向けた取組の推進
介護事業者による職場環境改善の取組をより実効性が高いものとする、介護職員等特定処遇改善加算を小規模事業者を含め事業者がより活用しやすい仕組みとする、サービスの質の向上や職員のキャリアアップを一層推進する、仕事と育児や介護との両立が可能となる環境整備を進め、職員の離職防止・定着促進を図る、介護サービス事業者の適切なハラスメント対策を強化するための改定
●テクノロジーの活用や人員基準・運営基準の緩和を通じた業務効率化・業務負担軽減の推進
テクノロジーの活用により介護サービスの質の向上及び業務効率化を推進、感染防止や多職種連携促進、人材確保や職員定着を目指すための改定
●文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の推進
現場の実態等を踏まえて、介護現場の業務負担軽減の観点から、利用者等への説明・同意、記録の保存等についての改定
⑤制度の安定性・持続可能性の確保
必要なサービスは確保しつつ、適正化・重点化を図ることを目的とした改定
●価の適正化・重点化
利用者の公平性、サービスの機能強化を図る、サービス提供の実態、事務負担軽減ための改定
●報酬体系の簡素化
療養通所介護における中重度の要介護者の状態にあわせた柔軟なサービス提供を図る、サービスや加算の趣旨、目的、それぞれの関係性も踏まえて、一部の加算について基本報酬への組み込みや廃止などの改定
・療養通所介護について、日単位報酬体系から、月単位包括報酬へ。個別送迎体制強化加算、入浴介助体制強化加算は廃止。入浴介助を行わない場合やサービス提供量が過少の場合は減算
・リハサービスのリハマネ加算(Ⅰ)、施設系サービスの口腔衛生管理体制加算、栄養マネジメント加算について廃止し、基本報酬での評価に変更
