2018年介護報酬改定の厚労省の考えは?

来年2018年度の介護報酬改定をめぐる議論が本格化、介護保険法の改正に向けて合意が必要だったこともあり、昨年の協議を踏まえ厚労省は、幾つかの重要な方向性を示しました。

◆生活援助の見直し


生活援助を中心とする訪問介護の人員基準を緩和し、それに応じた報酬を設定する方針が決められました。
要介護への言及はありませんが、軽度者のみに限定した改革にとどまらない様子です。

◆給付の適正化


「通所介護などその他の給付の適正化を検討する」との文言が盛り込まれました。通所はまたしても名指しされた形です。
すでに財務省は「機能訓練があまり行われていないなど、サービスの実態が利用者の寄り合い所にとどまっていると認められた場合には、減産処置も含めた報酬の適正化を図るべき」と述べています。

◆ハイテク機器の導入促進


介護ロボットや見守りセンサー、ICT:情報通信技術といった新技術を介護の現場に普及させたい考えから、人員・設備の基準や報酬の単価の見直しを検討します。

◆科学的に裏付けられた介護の展開


今後、厚労省は要介護認定やレセプトなどから得る様々な情報をより有効活用できる仕組みを構築して行く方針です。
ビッグデータを使い、自立支援の観点で効果の高いケアをエビデンスベースで確立し標準化することで、サービスの合理化や費用の抑制に結び付けるのが狙いです。

◆適切なケアマネジメントの推進


トピックスは居宅における「特定事業所集中減産」の見直しです。減産を受けない範囲で同じ事業所のサービスを優先させるところが少なくないことや、減収の会費のみを目的に良質な事業所を変えるケースがあることが指摘されており、審議会でも「不合理、有効的でない」といった批判が強まっています。

◆リハビリの展開


自立支援や予防の観点から、国はその効果を更に高めたい考えです。通所リハの機能強化や通所介護の役割分担を、改めて取り上げると説明しています。「短時間のサービスの提供の充実」「専門職の配置促進」といった方向性も示され、訪問リハも含めて、出来るだけ早い段階で介入することも課題に位置付けられています。

◆医療と介護の連携


2018年は診療報酬との同時改定となるため、切れ目ないサービスの提供ということがこれまで以上に重要視されます。介護保険部会では「入院・退院時の医療機関とケアマネ事業所、介護事業所の連携を深めることの重要や多職種感の協働や看取り、認知症への対応、リハビリ、かかりつけ医、訪問看護といったキーワードが出てきています。また、高齢者などが長期間に渡って入院する「介護療養病床」の来年度末の廃止を見据え、転換先の選択肢として新たに医療体制の濃淡の異なる3種類の施設を創設する方針を決定しました。

◆地域共生社会の実現へ


介護や障害、子育て、生活困窮といった既存のジャンルを超えて、本人も含めたすべての関係者が協力して横断的な街づくりや福祉を担う「地域共生社会」は、これからもスタンダードになっていく基本コンセプトです。
障害福祉サービスの事業所でも高齢者を受け入れられるようにし、制度の使い勝手を高めたい考えです。このほか相談支援専門員とケアマネージャーとの連携を更に強化して行くところから、ケアマネ事業所の基準を見直す考えも表明しました。