2024年度介護報酬改定の概要について
厚生労働省は、2024年度の介護報酬改定に向けて、介護サービスの質の向上や人材確保、地域包括ケアシステムの構築などを目的とした改定方針を公表しました。主な内容は以下のとおりです。
- 介護報酬の平均的な引き上げ率は1.5%とする。
- 介護職員の処遇改善については、賃金や福利厚生、キャリアアップなどを総合的に考慮し、必要な費用を算定する。
- 介護サービスの質の向上については、サービス提供責任者やケアマネジャーなどの専門職の配置基準や研修制度を見直し、専門性や連携力を高める。
- 地域包括ケアシステムの構築については、在宅・施設・医療・予防・生活支援などのサービスを一体的に提供するための仕組みや報酬体系を整備する。
- 介護サービスの効率化やイノベーション促進については、デジタル化やロボット技術などの活用を推進し、業務負担の軽減やサービスの多様化を図る。
2024年度介護報酬改定の課題と問題点について。
まず、介護報酬改定の目的は、介護サービスの質の向上と効率化、介護人材の確保と待遇改善、介護費用の抑制と公平負担などです。しかし、これらの目的を達成するためには、様々な課題と問題点が存在します。
一つ目の課題は、介護サービスの質の向上と効率化です。介護報酬改定では、サービスの内容や提供方法に応じて報酬を変えることで、質の高いサービスを提供する事業者にインセンティブを与える仕組みを導入することです。しかし、この仕組みは、サービスの質を客観的に評価する基準や指標が不十分であることや、事業者間の情報共有や競争が不十分であることなどにより、効果が限定的になる可能性があります。また、サービスの効率化を図るためには、事業者間の連携や協働を促進する必要があるが、これには制度的な障壁や事業者の利害対立などが妨げとなっています。
二つ目の課題は、介護人材の確保と待遇改善です。介護報酬改定では、介護人材不足に対応するために、介護職員の給与や賞与を引き上げることや、キャリアアップやスキルアップを支援することなどを行います。しかし、これらの取り組みは、介護人材不足の根本的な原因である低い社会的評価や重労働などを解決するものではなく、また、事業者によっては財政的な負担が大きくなることも懸念されます。さらに、介護人材の確保と待遇改善は相互に影響し合う関係にあるため、一方だけを改善しても効果が出ない可能性があります。
三つ目の課題は、介護費用の抑制と公平負担です。介護報酬改定では、介護費用の増加に歯止めをかけるために、利用者や家族からの自己負担を増やすことや、サービスの利用量や内容を抑制することなどを行っています。しかし、これらの措置は、利用者や家族の経済的な負担や心理的な不安を増加させることや、必要なサービスが受けられないことなどにより、利用者や家族の満足度や生活品質を低下させる可能性がああります。また、介護費用の抑制と公平負担はトレードオフの関係にあるため、一方だけを優先してもバランスが崩れる可能性もあります。
以上からわかるように、2024年度介護報酬改定には、多くの課題と問題点があります。これらの課題と問題点を解決するためには、介護報酬改定だけではなく、介護サービスの制度や仕組み全体を見直す必要があるでしょう。

